香山湿地

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  日本統治時代、日本政府は新竹の香山海埔地を開発を構想していた。1957年政府は、新竹港南海埔新生地計画に着手し、1959年に土手の造成を開始し、1962年には約90ヘクタールのモデル区を開拓し、1966年までに合計で海埔新生地約315ヘクタールを開発した。
 
  1993年には台湾省旅游局が新竹の香山海埔地を西部海浜レジャー区景観地のひとつにしようと計画し、1996年にラムサール条約会議で正式に客雅溪の河口から南港の無名溝の間の香山潮間帯を「東アジア水鳥保護ネットワーク」の一環として登録し、市政府の長年、河川の整備やレジャー施設およびサイクリングロードの整備に力を入れたことや、17㎞を貫く海岸沿いの観光地区は北部海岸で最も特色あるレジャースポットとなっています。
写真:竹塹八景-香山の夕焼け
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写真:竹塹八景-香山の夕焼け
 
  新竹の人々は、北部海岸で最も特色あるレジャー、景観地を持つだけでは満足せず、香山の海辺の干潟に非常に豊かな生態系があり、もし開拓を続ければ、北台湾の夢の湿地帯が失われる恐れがあると、魏美莉氏が新竹市野鳥学会を率いて保護区のマイルストーンの設置を開始しました。1998年6月27日に新竹市政府は、第1回「新竹市の海浜地区の永続的な運営についてのシンポジウム」を開催し、会員と共に台湾政府が初めて正式に発表した海洋海岸保護宣言にサインをしました。この宣言のポイントは、新竹海洋と自然の海岸を全力で保存し、漁業資源を全力で育て、観光を全力で発展させ、新竹市の海浜地区の永続的な運営と発展を推進させることです。2001年9月6日に新竹市政府によって提案され、行政院農業委員会の正式な公告「客雅溪の河口および香山湿地の野生動物の重要な生息環境」が成立し、また2004年9月には行政院農業委員会によって野生動物保育法を根拠とした「新竹市海浜野生動物保護区計画書」が審査、確定された。公告の管理制限面積は、1,600ヘクタールで、これにより正式にエリア別管理時代に入りました。2015年1月28日には、内政部は湿地保育法により香山湿地国家級重要湿地の確認範囲を発表した。対象面積は、1,768ヘクタールで、範囲は新竹市海浜野生動物保護区の大部分に相当し、2016年に契約が成立し、新竹市政府によって委託管理されるようになりました。
 
  新竹市海浜野生動物保護区」は「香山湿地」とも呼ばれ、北台湾最大の海浜湿地帯です。生態系は豊かで、潮間帯が育む多くのエビやカニ、巻貝は、多くの水鳥を呼び寄せています。統計によると、鳥類は274種、カニ類は43種にも上ります。これには、越境の水鳥のクロツラヘラサギおよび固有種のタイワンシオマネキも含まれています。
写真:毎年3~6月越境するクロツラヘラサギとセイタカシギが金城湖で羽を休めている
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写真:毎年3~6月越境するクロツラヘラサギとセイタカシギが金城湖で羽を休めている
 
  保護区内の自然資源の特性や人文と環境のインタラクティブのニーズと自然資源の永続的な運営を総合的に考慮し、核心区、永続利用区、緩衝区の3つの区域に分け、管理者が立ち入り野生動植物を採取する。また、香山湿地内の核心区は新竹市政府の許可のない人員の車両の進入および野生動植物の採取を禁止する。永続的利用区と緩衝区は、漁民の漁業採収行為を除き、新竹市政府の許可のない車両の進入および野生動植物の採取を禁止する。但し、公設の桟道と既存の堤防景観地点は立ち入り可能とする。
 
  2015年に林智堅市長が市政を引き継ぎ、香山湿地生息地の環境維持と保護および環境教育施設の建設に尽力し、2015~2106年には、紅樹林300ヘクタール以上を整備すると同時に生態生息地の維持と保護、河口の決壊や近隣居住区のヌカカ騒動の環境衛生などの問題を解決しています。
紅樹林の大部分の樹種は、マングローブであるため、急速にその分布範囲を広げ、10年間で100ha余り広げたため河口部の洪水排出に影響を及ぼしたことで、環境衛生問題を起こしている
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紅樹林の大部分の樹種は、マングローブであるため、急速にその分布範囲を広げ、10年間で100ha余り広げたため河口部の洪水排出に影響を及ぼしたことで、環境衛生問題を起こしている
 
2016年の対策を終えた後、生息地の修復、河口部の洪水排出及びヤブ蚊による住民苦情という衛生面問題を一気に処理した
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2016年の対策を終えた後、生息地の修復、河口部の洪水排出及びヤブ蚊による住民苦情という衛生面問題を一気に処理した
  この他、香山湿地周辺と17キロメートルのサイクリングロードが交差する金城湖区、美山区や海山区に湖区バードウォッチングポイント、海の見晴台、湿地教育センター、湿地探索歩道や駐車設施を設置し、市民に完璧なサービスを提供すると共に国内外の観光客を呼び寄せています。特に湿地探索歩道は大変人気があります。探索歩道は、全長250メートルで、美山区にあり、湿地中心に隣接しています。エコツアーに参加したい観光客の方は予約をすれば、解説スタッフが湿地中心まで連れて行ってくれ、ポイント到着までにいろいろと教えてくれ、探索歩道が底生生物のシオマネキなどの生き物に影響を与えずに観察ができ、新竹市小中高校の屋外生態教室にもなっています。
写真:百年間牡蠣の採取ルートとして使われ、 現代は牡蠣採収の鉄牛車がエコツアーを行っている。
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写真:百年間牡蠣の採取ルートとして使われ、 現代は牡蠣採収の鉄牛車がエコツアーを行っている。
写真:金城湖の夏季の鳥の様子。
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写真:金城湖の夏季の鳥の様子。
写真:タイワンシオマネキは、台湾の固有種で、香山湿地は北台湾で唯一のタイワンシオマネキの生息地です。写真は、なかなか見ることができないタイワンシオマネキが家を作る様子です。
真:タイワンシオマネキは、台湾の固有種で、香山湿地は北台湾で唯一のタイワンシオマネキの生息地です。写真は、なかなか見ることができないタイワンシオマネキが家を作る様子です。
 
写真:とてもよく目にすることができるカニ類は、一般的には潮が引いて1~2時間の岸辺で観察できます。
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写真:とてもよく目にすることができるカニ類は、一般的には潮が引いて1~2時間の岸辺で観察できます。
  香山湿地は、四季を通して鳥が豊富で、渡り鳥の数が最も多く、美山区の鳥類の種類は多く豊富で、金城湖区が続きます。種類が最も豊富なのは、シロチドリ、続いてスズメ、ハマシギ、ダイゼン、セイタカシギそしてオオメダイチドリで、数はのべ2万羽以上で、年間総数の約58%を占めています。スズメ以外は、みな潮間干潟で餌を食べている鳥種です。近年、区内で31種を保護し記録を行っています。そこには第一級絶滅危惧種であるクロツラヘラサギ、ハヤブサ、カラフトアオアシシギ、コウライウグイス。
写真:第2級希少価値保護鳥カラシラサギ
写真:第2級希少価値保護鳥カラシラサギ
写真:第2級希少価値保護鳥類ズグロカモメ
写真:第2級希少価値保護鳥類ズグロカモメ
写真、ダイシャクシギ群聚在淺灘区覓食。
写真、ダイシャクシギ群聚在淺灘区覓食。
 
  第2級希少価値保護鳥のオシドリ、カラシラサギ、ヘラサギ、ミサゴ、カタグロトビ、カンムリワシ、サシバ、アカハラダカ、ナンバンツミ、カンムリオオタカ、ハイタカ、ノスリ、チュウヒ、ハチクマ、チョウゲンボウ、チゴハヤブサ、タマシギ、コアジサシ、エリグロアジサシ、ヒガシシナアジサシ、ズグロカモメ、レンカク、ハッカチョウ。 第3級一般保護類のダイシャクシギ、シベリアオオハシシギ、ツバメチドリ、アカモズなどがいます。
 
  香山湿地のみで生息する底生生物も豊富で、カニ類、巻貝類、エビ類および軟体動物などがいます。最も特別なのは、生きた化石ミドリシャミセンガイです。最も簡単に観察できるのはカニ類で、干潮後の1~2時間以内には岸辺でシオマネキやセイハクシオマネキが餌を食べる様子が観察できます。この時、シオマネキは大きな爪を振りかざしながら干潟の穴から出てきて、岸に近い干潟でまるで長剣を振り回すカニの戦士の様です。生態系観察に絶好の場所であり、湿地はまさに机のない教室です。本区はカニも豊富で、各種シオマネキ以外にも他の様々な種類のカニがいます。例えばミナミコメツキガニ、スナガニなど、潮間の干潟が厳しい生存環境ですが、毎日2回の満ち引きがあり、潮間帯で何万もの個体を育てています。海でのカニの姿勢は、厳しい生存環境の湿地に対抗しています。ですから、干潮後干潟では大量のミナミコメツキガニ、スナガニの大軍の行進を観察できます。
写真:大量のミナミコメツキガニ。量で厳しい湿地の生存条件に対応している。
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写真:大量のミナミコメツキガニ。量で厳しい湿地の生存条件に対応している。
 
写真:スナガニも生息地がなくなりつつある湿地生物。種族も非常に多い。
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写真:スナガニも生息地がなくなりつつある湿地生物。種族も非常に多い。
  香山湿地の永続利用区は、海に近い干潟で元は牡蠣の養殖区で、100年前まで養殖の歴史を遡ることができます。これも北台湾でわずかに残る牡蠣養殖田で、面積は約60ヘクタール、カキ養殖田の中には連なった牡蠣の採苗器と一緒にカニが生息しています。例えば、ノコギリガザミ、シマイシガニ、ベニツケガニ、シオマネキ、ホンコンシオマネキ、ベンケイガニ、クロピンノ、セイハクシオマネキなどが生息しています。
写真:香山の夕焼けに輝く百年の歴史を持つ牡蠣養殖地
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写真:竹塹八景-香山の夕焼け
来場者数:18715 人は、日付:2017-03-16