新竹水道の取水口

*新竹水道の取水口
*市指定遺跡
*新竹市東勢街と水源街交差点付近
 
  1941(昭和16)年に「台湾水道研究会」が出版した「台湾水道誌」の記述によると、新竹水道の水源は伏流水(地表水と地下水の間を流れる水)であり、頭前渓の分流から始まり隆恩圳上流一帯に集まって出来た伏流水を水源としているそうです。地下水と河川水の長所を併せ持った水です。
 
  取水口の設備は、頭前渓隆恩圳の分流に沿って6個の集水井が埋められており、集水井の源水は内径3尺の導水管を通ってポンプ井へ流れ込みます。ポンプ井内の水はポンプ室にあるドイツ製ディーゼルオイル式重油エンジンポンプで吸い上げられ、スチールパイプを通って十八尖山中腹の分水井まで運ばれます。
 
  取水口用地は近くの隆恩圳そばの高地にあり、中にはポンプ室・事務室・倉庫・宿舎などの施設があります。指定遺跡の本体にはポンプ井とポンプ室があり、洗い出し仕上げの砂利で飾られた鉄筋コンクリートと木組み屋根で造られたポンプ室は水道施設で最も重要な場所です。汲み上げポンプの水道はポンプの動力によって水を高所に汲み上げなければならず、その機械を設置する空間がポンプ室となります。ポンプ室の後ろにあるポンプ井は内径20尺、深さ46尺4寸、側壁厚2尺の鉄筋コンクリート製筒型井戸で、3本8インチの吸水スチールパイプでポンプと繋がっています。取水口から輸送される水に圧力をかけて分水井へ送り、その後分水井からそれぞれの池や井戸へ分配するものです。
来場者数:15418 人は、日付:2016-07-05