新竹州図書館

*新竹州図書館
*市指定遺跡
*新竹市文化街8号
 
歴史と変遷
  新竹州図書館の前身は「新竹街図書館」で、1923(大正12)年に日本の大正天皇東宮皇太子裕仁様の新竹訪問を記念して募金により建てられました。1925(大正14)年に竣工すると街立図書館は廃止となり新竹州図書館に改められました。台湾の光復(日本統治からの開放)後、新竹市政府に接収され名前を「新竹市立図書館」とし、更にその後「新竹県立図書館」となっても図書館として利用され続け文献室も作られています。新竹の多くの学生にとって、失うことの出来ない代わる物のない文化価値があり、新竹文化教育史の証人と言ってもいいでしょう。
 
  この優雅な建物は東門城の隣、護城河に面した緑に囲まれた所に建っています。現在この建物は新光人寿の所有となっています。1984年に新竹県政府が土地と建物を入札で新光人寿に売却し個人資産となったため一般公開はされていません。
 
建物の特色
  新竹州図書館は1925年7月31日に竣工し8月31日にオープンしました。鉄筋コンクリート造りの建物で総面積が約600㎡。周囲を木々に囲まれた静かな環境にあり、読書には最適の場所です。内部には主に閲覧室・事務室・書庫・館長室・文献委員会・書報雑誌室・児童閲覧室があり、1970年に至るまで4万冊の蔵書がありました。新竹人の知識の宝庫と言えます。
 
  図書館は平屋建ての西洋風建築物で、シンプルですっきりした外観です。正面は上下二層に分かれており、下層の正面にある柱にはくっきりとレンガ状の模様が刻まれていて建物を落ち着いた雰囲気に見せています。上層には引っ込み型のベランダを設け、その上の短い柱が屋根の梁を支えています。そうすることで屋根が軽くなり、また対比させることで下部の頑強なイメージが更に強調されています。外からは2階建てに見えますが内部は天井の高い1階建てとなっていて、読書をする来館者に広々とした開放感を与えると共に厳粛な雰囲気も演出しています。
 
  入口は中央にあり、ポルチコの突き出た玄関部分と太い門柱、上部中央の双柱が「ここが入口」であることを明示しています。正面を強調する立体的な柱と窓との組合せが虚構と写実のコントラストを生み人々に強烈な重厚感を与えています。また柱の上には設計者が皇太子を記念してデザインした日本帝国を象徴する紋章が飾られています。
来場者数:15548 人は、日付:2016-07-05